カリスマ美容師は閉ざされた心に愛をそそぐ


 次の日、ヤバいなぁ〜、汚い顔してる?


 完璧に寝不足の顔、あぁ〜あ…。

 スマホを朝一で確認しても、何も連絡はない。

 それどころか既読すらなってない、なんで?ねぇ…なんで?


 大学に行かなくちゃ、もしかしたらあえるかも…

 頑張れわたし。

 重たい身体を引きずりながら、不安でいっぱいのなか、彼を右へ左へと探したけれど…何で?何でよ溜息しか出ないよ。


 そんな私に同級生が声をかけてきてくれた。


 『なんて、言ったらいいか、気を落とさないでね』

 意味?分かんない?こんな顔しているから、へんな誤解されたかなぁ…


 でも、なんか彼女の言葉、どこか変?


 そして同級生からの聞いた言葉は…

 “大翔が事故で無くなった”

 ーうそ!なんでそんな酷いことをー

 私は大勢の人達の前で大声で「うそ」と叫び、いつの間にか大翔のアパートの前に立っていた。


 大声を出して大翔の名前を呼んでみる。


 隣の部屋の人が『可哀想にね、まだ大学生でしょ、子供を、助けようとしたらしいよ』


 受け入れられない、それからの私はその現実を受け入れるまでに何年も。


 季節がどんなに変わっても、あの頃の、幸せな記憶は色褪せることなく、色を増すばかり。

 






 


 


 
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