カリスマ美容師は閉ざされた心に愛をそそぐ
あれから、まさかこんな形で蓮さんと出逢うことになるなんて、予想もつかなかった。
ずっと一人でいい…でも寂しい。
そんな心の毎日、なのに。
蓮さんへの気持ちがハッキリしたわけでないけど、ハッキリ出来ないから余計ごめんなさいと心の中で謝る私。
一番の理由が見た目で釣り合わない!
本当に私でいいのかなぁ…、そんなことバッカリ頭をよぎる。
自信なんてどこから来るものなんだろう。考えれば考えるほど、落ち込んで這い上がれなくなりそう…。
ある時二人で歩いているとき、周りの視線が気になり、どうしても並んで歩くのが辛くちょっと距離を取ろうとしたことがあった。
蓮さんはその時なにか感じたのか、それから二人で歩くとき絶対手を繋ぐ。
恥ずかしいのに…
あ〜もぅ!
「月?、さっきから一人芝居かぁ?」
いやぁ…なにやってるのわたしって、恥ずかしい。
私の頭をなでなで。
「そろそろ、月の髪切ってやらないとなぁ、襟やしもう少し短くしようかなぁ。もっと可愛くしてやるからな」
いや普通でいいです。
「…普通で。」
…はぁ?って顔してる。
だって今テレビで昭和の記憶に残るCMの台詞って。
[きれいな人は、より美しく、そうでないひとはそれなりに]って言ってますよ。
だからわたしは“それなりに”の部類でしょう?
って、言葉にででしまったら。
両頬を軽くキュットされながら、
「自分がどれだけカワイイか、少しは自覚しろ」
そんは真剣な顔で言われても、無理です。