月の砂漠でプロポーズ
――運転手さんもかなり飛ばしていたから「のんびり」というと語弊はある。

 アクセルもブレーキも、ハンドルさばきもあぶなげない。
 私達に衝撃を与えず、スムーズに運転している。
 かなりの運転巧者さんだ。

 リムジンの中は広く、快適だ。
 車内は冷房が効いて涼しく、またバーカウンターやミニ冷蔵庫が設置されていたから、喉が渇くと私達はスパークリングウオーターを飲んだり、フィンガーフードを摘まんだりした。

 そして、海がみえてきた。

「うわあ……!」

 青い。
 そういえば、排気ガスとかすごいと思うのに、空が真っ青。
 そして、海も瑞々しい色だ。
 砂漠のオアシスってこんな感じなのかな。
 ラピスラズリやトルコ石。
 あるいは、ウルトラマリン。
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