月の砂漠でプロポーズ
「一応、腕や足が見えない服は用意してきたんですけれど」
「女性は髪を隠さなければならないからな。入口でアバヤを借りれる。コンシェルジュに聞いたんだが、ツアーに参加しないと内部が見れないらしい」
「参加で!」
私の即決に諒さんが笑った。
「あっさり覆したな」
「私はいつも天秤の女神の言いなりです」
澄まして言った。
「というと?」
「主義主張と、便宜の間でいったりきたりしてるんです」
「なるほど」
くつくつ……と諒さんが楽しそうに笑う。
この人、こんな風に笑う人だったんだ。
「どうした? 眩しそうな顔をしている」
気掛かりそうに諒さんが手を伸ばしてきた。
頬に添えられた手が嬉しい。そっと唇を寄せる。
「こら」
焦った様子の諒さんが可愛い。
「おいたをするなよ? ベッドから動けなくしてやるぞ」
脅かされた。
獰猛な目の彼は半ば本気で、私も半分くらいいいなと思ったけれどナイショ。
だって、観光スケジュールが消化できないもの。
「女性は髪を隠さなければならないからな。入口でアバヤを借りれる。コンシェルジュに聞いたんだが、ツアーに参加しないと内部が見れないらしい」
「参加で!」
私の即決に諒さんが笑った。
「あっさり覆したな」
「私はいつも天秤の女神の言いなりです」
澄まして言った。
「というと?」
「主義主張と、便宜の間でいったりきたりしてるんです」
「なるほど」
くつくつ……と諒さんが楽しそうに笑う。
この人、こんな風に笑う人だったんだ。
「どうした? 眩しそうな顔をしている」
気掛かりそうに諒さんが手を伸ばしてきた。
頬に添えられた手が嬉しい。そっと唇を寄せる。
「こら」
焦った様子の諒さんが可愛い。
「おいたをするなよ? ベッドから動けなくしてやるぞ」
脅かされた。
獰猛な目の彼は半ば本気で、私も半分くらいいいなと思ったけれどナイショ。
だって、観光スケジュールが消化できないもの。