月の砂漠でプロポーズ
 いやー、面白かった。
 でも終わったときにはヘロヘロで腰が立てなくなっていた。
 諒さんが腰に手を回して支えてくれているからなんとか頑張れた。

 太陽が沈もうとしている。
 砂丘に陰影が伸びる。
 トルコ色だった空に、トパーズやローズクオーツの色が混じり始める。
 空と砂しかなく、人工物が見当たらない砂漠に太陽が光を投げかける。

 厳しくて、不要なものをそぎ落とした砂漠で、ただ日が暮れるのを見守る。
 そして空はタンザナイトからラピスラズリに色を染め始めた。
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