月の砂漠でプロポーズ
 十畳はありそうなサニタリースペース。
 白い壁に、うすいグレイと黒を基調にした、男らしい雰囲気。

 脱衣所はかなり広めで、天井近くにバーが渡してある。
 そして乾燥機。
 あ、そのままランドリースペースになるんだ。
 よく見れば、ズボンプレッサーに立ったままかけられるアイロン台。うーむ、機能的。

 そのまま、ユーティリティスペースに移動できて、さらには物置兼パントリーまでそのまま行ける。

「外国の方がメイドさん付で住めそうな間取りですね」

「ああ。ここの設計は、海外のマンション事情に詳しい建築家が設計したらしい」

 うん、ハウスキーパー業としては満点に近い動線である。

 パントリーからそのまま行ける台所は、余裕で私のアパートの部屋より大きかった。

 セミクローズな台所からリビングに移動してみれば、ダンスパーティでも開けそうだ。

 一面は天井まで埋め尽くされた本棚。
 百インチはありそうなTV、音質がめちゃくちゃ高品質そうなオーディオセット。
 スツールやチェアーなど、年代も意匠もバラバラなのにしっくりと合っている。
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