月の砂漠でプロポーズ
渡会さんの家に住み込みを始めてから一か月。
「……さて!」
あるドアの前で私は腰に手をあてて立ちすくんでいた。
渡会さん宅のメインルームと言っても過言ではない、主寝室だ。
どうしてもここだけは、入ろうとしては逡巡し
『明日にしよう! 明日には明日の風が吹くっ』
と先伸ばししていたが、仕方ない。実は昨日、渡会さんからメールが来た。
渡会さんがとうとう林が百均でハンコを買った当日の画像を探し出してくれた。
お店の方がPOSシステムを分析して『高畑』のハンコだったと証明してくれたという。
同じ頃、筆跡鑑定で借用書の二つのサインが同一人物によって記載されたものであり、私の筆跡ではないこと。
そして私の指紋が借用書のどこにもついていないことが判明した。
私と林の写真が合成だったこともわかった。
さらには。
「……さて!」
あるドアの前で私は腰に手をあてて立ちすくんでいた。
渡会さん宅のメインルームと言っても過言ではない、主寝室だ。
どうしてもここだけは、入ろうとしては逡巡し
『明日にしよう! 明日には明日の風が吹くっ』
と先伸ばししていたが、仕方ない。実は昨日、渡会さんからメールが来た。
渡会さんがとうとう林が百均でハンコを買った当日の画像を探し出してくれた。
お店の方がPOSシステムを分析して『高畑』のハンコだったと証明してくれたという。
同じ頃、筆跡鑑定で借用書の二つのサインが同一人物によって記載されたものであり、私の筆跡ではないこと。
そして私の指紋が借用書のどこにもついていないことが判明した。
私と林の写真が合成だったこともわかった。
さらには。