月の砂漠でプロポーズ
「ン……」
渡会さんから反応があった。
「渡会さんっ、大丈夫ですか!」
「俺、は……」
声が掠れている。
熱があるとき独特のけだるさにどきんとしてしまった自分を叱る。
「熱出して倒れました。ここ、養生するにはいい場所ではないので、彼女さんに迎えに来てもらえばどうでしょう」
提案しながら、行かないでと願ってしまう。
「……彼女なんて、……いない……」
心が轟いた。
いないの? 嬉し過ぎる。
じゃあ、『潜り込める寝床』ってどこ? も、もしや恋人さんは男性なのだろうか。
「渡会さん、どこで寝泊りしてるんですか」
「ここ……」
苦しそうに呻く。
「え。なんで」
ここ、ソファしかないよね? なんでそんな嘘ついたの。
「也実は怖い想いをしただろう……。そんな相手と、一つ屋根の下に過ごすのは失礼だ」
私のせい? 潜り込むあてなんてないのに、私が気詰まりにならないように?
優しすぎるよ。紳士ってかくあるべきなんだろうけど、メロメロになっちゃうよ……。
「渡会さん、人が良すぎます」
「別に、全方位に向けて親切な訳じゃない……」
もうっ!
そんなこと言っちゃうと私、全力で期待しちゃうでしょう?
これだから無自覚(心も)イケ(てる)メン(Man)ってやつは!
渡会さんから反応があった。
「渡会さんっ、大丈夫ですか!」
「俺、は……」
声が掠れている。
熱があるとき独特のけだるさにどきんとしてしまった自分を叱る。
「熱出して倒れました。ここ、養生するにはいい場所ではないので、彼女さんに迎えに来てもらえばどうでしょう」
提案しながら、行かないでと願ってしまう。
「……彼女なんて、……いない……」
心が轟いた。
いないの? 嬉し過ぎる。
じゃあ、『潜り込める寝床』ってどこ? も、もしや恋人さんは男性なのだろうか。
「渡会さん、どこで寝泊りしてるんですか」
「ここ……」
苦しそうに呻く。
「え。なんで」
ここ、ソファしかないよね? なんでそんな嘘ついたの。
「也実は怖い想いをしただろう……。そんな相手と、一つ屋根の下に過ごすのは失礼だ」
私のせい? 潜り込むあてなんてないのに、私が気詰まりにならないように?
優しすぎるよ。紳士ってかくあるべきなんだろうけど、メロメロになっちゃうよ……。
「渡会さん、人が良すぎます」
「別に、全方位に向けて親切な訳じゃない……」
もうっ!
そんなこと言っちゃうと私、全力で期待しちゃうでしょう?
これだから無自覚(心も)イケ(てる)メン(Man)ってやつは!