月の砂漠でプロポーズ
 渡会さんが寝ている間、家事をする以外は彼の傍でそうっと過ごした。

 オフィスの電話は渡会さんがいるときでも常時、留守電になっている。
は暗証番号を訊いているので、メモしては録音を削除していく。

 渡会さんのタブレットを借りて、オフィスのホームページを立ち上げる。
 メッセージツールにログイン。ざっと確認した。緊急性のものはないみたい。

 私信のほうは確認するすべがない。
 彼女さんはいないとのことだったが、こんなにイケメンで弁護士なのだ、ひきもきらない誘惑メールが沢山届いていそうだ。
 渡会さんがきゃっきゃうふふしそうなメールなんか見たくない。
 というか削除しそうなので、知ることができないのは幸いだった。
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