皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
その天の声が再び、ミレーヌに助言をしたのは十三歳になろうとする年だった。
普段は何気ない話をしてくれる天の声。何をしなさい、これをしなさい、ということはあまり言わない。
だけど、そのときだけは違った。
――ミレーヌ。魔導科に進学しては絶対にダメ。必ず騎士科へ進学するのよ。
(どうして?)と、ミレーヌは心の中で尋ねる。こんなことを天の声が言うのが珍しかったから。
――王族の婚約者は魔導科からって決まっているでしょ? あなたが魔導科に進学したら、何をしても、どうあがいても、あなたが第一皇子の婚約者に選ばれてしまうのよ。だから、最初から候補から外れる道を選択しなさい。
(わざと魔法が下手な振りをすればいいんじゃないの? 優秀な人しか選ばれないのでしょ?)
ミレーヌは思った。思うことでその声が天の声に通じる。
――それでもダメなのよ。あなたが魔導科に進学する限り、何をしても婚約者になってしまうの。
それはミレーヌにとって、衝撃的な内容だった。これがミレーヌでない女性であれば喜んだかもしれない。だって、何をしてもあの第一皇子の婚約者になることができるのだから。
普段は何気ない話をしてくれる天の声。何をしなさい、これをしなさい、ということはあまり言わない。
だけど、そのときだけは違った。
――ミレーヌ。魔導科に進学しては絶対にダメ。必ず騎士科へ進学するのよ。
(どうして?)と、ミレーヌは心の中で尋ねる。こんなことを天の声が言うのが珍しかったから。
――王族の婚約者は魔導科からって決まっているでしょ? あなたが魔導科に進学したら、何をしても、どうあがいても、あなたが第一皇子の婚約者に選ばれてしまうのよ。だから、最初から候補から外れる道を選択しなさい。
(わざと魔法が下手な振りをすればいいんじゃないの? 優秀な人しか選ばれないのでしょ?)
ミレーヌは思った。思うことでその声が天の声に通じる。
――それでもダメなのよ。あなたが魔導科に進学する限り、何をしても婚約者になってしまうの。
それはミレーヌにとって、衝撃的な内容だった。これがミレーヌでない女性であれば喜んだかもしれない。だって、何をしてもあの第一皇子の婚約者になることができるのだから。