皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
 エドガーは第三騎士隊の隊長であり、マーティンと同期入隊。騎士隊への責任は強く、部下からは絶大なる信頼を得ている。

 つまり、その責任の強さでこうなったというわけか。

「残念ながら、第五騎士隊は魔導士を連れてきていない。怪我の回復は治療薬に頼るしかない」
 魔導士を連れて来なかったことを少し後悔するマーティン。まさかこんな状況になっているとは思わなかったからだ。魔導士たちは無事だろうという浅はかな考えを今になって後悔する。

「承知……、いたしました」
 副隊長は渋々と承諾するしかなかった。

「まずは、ケガ人の治療に第五騎士隊のメンバーをあてよう」

 マーティンはテントを出て、第五騎士隊のメンバーを集めた。

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