皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
「その声は、マーティン。なんだ、第五騎士隊が来たのか」

「なんだとはなんだ。誰が回復魔法をかけたと思っている」

「お前が連れてきた魔導士ではないのか」

「何を言う。かわいい我が妹のミレーヌだ。ミレーヌが回復魔法をかけた」

「マーティンの妹? ああ、噂の団長の娘か」

 噂の団長の娘。団長に似ているから、魔導科をやめて騎士科に進学したと言われている娘と聞いている。

「かわいい我が妹は、尊敬する兄である私の後を追って、今では騎士見習いだ」

 騎士見習いなのに回復魔法を? とエドガーは思う。だが、命の恩人にかわりはない

「ミレーヌ」とエドガーが彼女の名前を呼ぶ。

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