皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
そんなある日。
ミレーヌが十三歳になろうとしている、ということは騎士になるか、魔導士になるか。つまり、騎士科を選ぶか、魔導科を選ぶか。という選択に迫られていた。
ミレーヌにとっては、どちらも捨てがたいのだが、どちらか一つを選ばなければならないときがやってきたのだ。
魔導科という道を選択すると、もれなく王族男児の婚約者になるかもしれない、という特典がついてくる。結婚や王族に憧れる女性にとっては、まちがいなく魔導科という道を選ぶことだろう。
だから、ミレーヌの家族も彼女が魔導科を選ぶと思っていた。
ところが。
「何、騎士科に進学したいだと?」
シラク公爵の声が、屋敷中に響いた。
その声に驚いて、屋敷の一室で昼寝していた猫がにゃーにゃー言い出し、外を走り回っている犬がわんわん吠え出した。もはや、人間の声とは思えない声だと動物も認識したらしい。
ミレーヌが十三歳になろうとしている、ということは騎士になるか、魔導士になるか。つまり、騎士科を選ぶか、魔導科を選ぶか。という選択に迫られていた。
ミレーヌにとっては、どちらも捨てがたいのだが、どちらか一つを選ばなければならないときがやってきたのだ。
魔導科という道を選択すると、もれなく王族男児の婚約者になるかもしれない、という特典がついてくる。結婚や王族に憧れる女性にとっては、まちがいなく魔導科という道を選ぶことだろう。
だから、ミレーヌの家族も彼女が魔導科を選ぶと思っていた。
ところが。
「何、騎士科に進学したいだと?」
シラク公爵の声が、屋敷中に響いた。
その声に驚いて、屋敷の一室で昼寝していた猫がにゃーにゃー言い出し、外を走り回っている犬がわんわん吠え出した。もはや、人間の声とは思えない声だと動物も認識したらしい。