皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
 一つのテーブルに、男四人が集まっている。マーティンとロビーが並んで座り、マーティンの向かいにカーニー、そしてその隣にアムラン。

「ロビーたいちょーは、本日、エドガーたいちょーとお会いになられましたかぁ」
 ドンとテーブルの上に、空になったグラスを置いて、カーニーが言った。

「エドガー? 会ってないな」
 右手で頬杖をつき、左手でつまみの乾いた豆をつまんでいるロビー。「どうかしたのか?」

 その問いにカーニーが答える。
「エドガーたいちょーが、エドガーたいちょーが。女性と手をつないで歩いていましたぁ」

 カーニーのその告白に、ロビーは機械的に動かしていた左手を止めた。豆が唇の手前で止まっている。

「マジで?」

「はい。私も見ました」
 と今度はアムランが答え、グラスの中身を飲み干す。

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