皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
「どうしたんだよ、マーティン。もしかして、親友を盗られていじけているのか?」
 ロビーのその言葉に、親友だと? とマーティンは聞き返す。
「お前ら、親友だろ。なんだかんだ言いながら、仲いいよな」

「ロビーとエドガーほどではないが?」

「いんや。俺らよりお前たちの仲の方が怪しいね」

 そこへ店員が来て、カーニーの手元にグラスを置いていく。
「たいちょー、何か飲まれますかぁ?」
 とカーニーが聞くので、マーティンは同じものを、と答えた。

「いやぁ、本当に。エドガーたいちょーが連れていた女性が、可愛かったですうぅ」
 そこでカーニーは勢いよくグラスの半分ほど飲み干す。

「せめて隊長が、ミレーヌ嬢を連れてきてくれれば、私たちもこんな思いをしなくて済んだのに」
 と、アムランがうらめしそうにマーティンを見る。

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