皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
ミレーヌはハンカチでそっとシャノンの濡れているところを拭き始めた。そして、拭きながら言う。
「私でさえもなんとなく状況はわかるんだけれど、これ、どうしましょう。これから卒業に向けてのレポートもあるから、教科書は必要よね。教科書を貸してあげたいけれど、私は騎士科だし」
そこでミレーヌはハンカチをシャノンに手渡すと、うーん、と腕を組んで考え始めた。
――ミレーヌ。急いで騎士団の隊長室に行って書き損じの紙をもらってくるのよ。
突然、天の声が聞こえた。最近は、わりと大人しい天の声だったのに。
(書き損じの紙?)
それでも天の声は天の声。ミレーヌを助けてくれるのがこの声なのだ。
――そう、それで教科書の水を吸い取ってあげて。元通りにはならないかもしれないけれど、使えるようにはなると思うの。
(でも、隊長室に行って大丈夫かしら?)
「私でさえもなんとなく状況はわかるんだけれど、これ、どうしましょう。これから卒業に向けてのレポートもあるから、教科書は必要よね。教科書を貸してあげたいけれど、私は騎士科だし」
そこでミレーヌはハンカチをシャノンに手渡すと、うーん、と腕を組んで考え始めた。
――ミレーヌ。急いで騎士団の隊長室に行って書き損じの紙をもらってくるのよ。
突然、天の声が聞こえた。最近は、わりと大人しい天の声だったのに。
(書き損じの紙?)
それでも天の声は天の声。ミレーヌを助けてくれるのがこの声なのだ。
――そう、それで教科書の水を吸い取ってあげて。元通りにはならないかもしれないけれど、使えるようにはなると思うの。
(でも、隊長室に行って大丈夫かしら?)