皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
「ルネ、あそこ」とミレーヌはルネの耳元で囁く。
 校舎の屋上、一人の女性の後ろ姿が見える。
「なんで屋上に?」ルネが尋ねる。そもそも屋上は立ち入り禁止のはず。

 ――ミレーヌ。お兄様を呼んできて。隊長室にいるはずだから。

 天の声が聞こえた。

 ――お願い。シャノンを助けて。

「え? シャノン?」

「ミレーヌ、どうしたの? シャノンに何かあった?」

「多分、あの子、シャノンだと思う。私、他の人、呼んでくる」

「わかった。私は、とりあえず屋上に向かう」

 言い、二人は別れ、それぞれがそれぞれの目的地へと向かった。

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