皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
 ミレーヌは肩を大きく上下させながら、マーティンへ言った。

「とにかく、校舎に向かえばいいのだな?」
 マーティンの問いに、はい、と答える。
 そこからの兄の行動は速かった。さすが、隊長。全力疾走の速さがミレーヌとは違う。

 エドガーはそんな彼の後を追わず、ミレーヌに付き添う。
「大丈夫か?」と問うと「はい」と答える。

「今、息を整えます。そしたら、また行きます」

「わかった、私も一緒に行こう」

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