皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
「エドガー隊長。屋上に。私の友達が」

 ミレーヌはまだ息が上がっていて、それしか言えなった。つながりの無い文でも、エドガーは察したらしい。

「では、私は屋上に向かう」

 ――ミレーヌ。いざとなったら、シャノンに浮遊の魔法をかけて。この自然の力を借りるのよ。

 やったことは無いけれど、万が一に備えて想像する。

 マーティンはシャノンがいる場所の真下に来た。声もよく聞こえる。

「シャノン。あなた、生意気なのよ。これで、あなたのその目障りな髪、切り落としてあげるから」という相手の声。

 それを聞いたマーティンが、苦い顔をする。

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