クールで無口(大嘘)な白井くんは愛が重い
▶1



「なんでそんなにかわいい表情してるんですか」

「してねえですけど」

「声もかわいいな……」

「そんなの出してねえですけど」

「口調も好きです」

「白井くんの好み、よくわかんないですね」

「……いや、べつにタイプではなかったんだけど」



なおさら意味がわかんないよ、白井くん。



「わざと荒くしてる口調、めちゃめちゃかわいいと思って」

「はあ、そうですか」

「それで、交際を前提に友達になってくださ」

「ごめんなさい」



宮坂仁乃(にの)。高校二年生。無口なイケメンのパンドラの箱を開いてしまった、冬。


< 1 / 117 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop