クールで無口(大嘘)な白井くんは愛が重い
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とりあえず、記憶を遡ってみようと思う。
朝。寝坊して慌てて作った卵焼きがすっごく美味しくできてた。寝ぼけて作ったから何をどの比率で入れたのか覚えてなくて悲しい。ねぎが入ってた。美味しかった。……うん。
昼。お弁当に入れていた朝も食べた卵焼きがやっぱり美味しくて、あー無念! って思ってた。
それで、放課後。
廊下でプリントをばらまいてしまった男子がいたから、拾って渡して。
よし、相手が受け取った、と思ったら、どうじにまた落とされて。
顔をあげたら目が合って。
『好きです』
………………いや、わかんない。
「あの、そもそもわたしの名前って知ってたり……」
「ううん。知らないから教えてください」
「あ、うん、そうなんだ」
放課後だっていうのにひとが集まり始めてきた。どうして。何がどうしてこうなったんだろう。