クールで無口(大嘘)な白井くんは愛が重い







「知り合いにくらいなってあげたらよかったのに」

「あれだけ話して知り合いになれないなら、もうなれないでしょ……。なりましょうよって言ってなるものでもないと思うし」

「ふぅん」

「あと、なんか……その。なってあげる、って思うの、いやだったから」



仁乃、変なとこで律儀だよね。香織はそうわらって、ぴっと廊下を指さした。



「……え?」

「いるけど、あんたを待ってんじゃないの」

「えっ」

「ほら、まわりの女子たちは恐れ多いって感じで逃げてるし、そのひとたちのことは捕まえないし。あんた待ちでしょ」



思わず立ち上がってしまって、机にばん! と手をつく。うつむいてしばらく考えたけれど、わからない。ついにはそこそこに大声を出してしまった。



「なんで!?」

「一目惚れってやつ?」

「わたしのどこにそんな要素があるの」

「ないよね、不思議」

「……怒るよ」

「理不尽じゃない?」


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