悪役令嬢は騎士の腕の中で啼く――婚約破棄したら、爵位目当ての騎士様に求婚されました――
「挿れるぞ――」
彼がそういうなり、びくんと身体が震えた。
脚の間に、今までに感じたことのないような熱さを感じたかと思うと、身体の中に見知らぬ何かがみちみちと侵入してくる感覚が起こった。ずんっと下腹部に鈍い重みが走る。
(痛いっ……!)
「ひあっ……ああっ……!」
ずずずと、シルヴァの鉄杭のようなそれが、処女膜を伸ばしながら、中へ中へと進んでくる。
思わず目をぎゅっとつぶり、彼の背を強く掴んだ。指先に力を入れすぎて、彼の背に爪が食い込んでいく。だけど、力を緩める余裕がなかった。
「あっ……あ、あ……」
そうして、脚の間にぬるりと何かが流れていくのを感じた時――。
「リモーネ、もう大丈夫だ。入ったぞ――」
――彼に言われて、ゆっくりと瞼を持ち上げた。
彼の綺麗な碧の瞳と、眼前で出会う。
どうやら彼の大きな身体に、私の小さな体は覆われてしまっているようだった。
汗で濡れた互いの肌が、しっとりと吸い付き合う。
ぎゅっと彼に身体を抱き寄せられた。
「シルヴァお兄ちゃん……」
彼の満足そうな表情を見ていると、次第に痛みは遠のいていく。
「ありがとう、リモーネ……ずっとお前と繋がりたかったんだ――」
低い声の彼が、今までにないほどの蕩けるような甘い声で告げてきた。
(私……)
脚の間からお腹にかけて、違和感がある。
(ああ……私……シルヴァお兄ちゃんと繋がっているのね……)
なんだかそう思うと、ぽろりと涙が零れ落ちた。
「お前の中に初めて入れたことは……爵位よりも何もよりも、俺にとっては名誉だよ――」
そう言われると、またぽろぽろと涙が落ちていく。
頬を流れていくそれに、シルヴァが優しく口づけた。
「ああ、初めてだから、俺のをぎゅうぎゅうに締め付けてきてる……そうだ、少しだけ動いても大丈夫か――? まだ傷がある状態だから、激しくは動かないようにする」
柔らかくシルヴァに問われ、私は頷く。