悪役令嬢は騎士の腕の中で啼く――婚約破棄したら、爵位目当ての騎士様に求婚されました――
低い声音でそう問われ、もう濡れきってしまっていた私は、こんな神聖な場所ではしたないとはわかっていたけれど――シルヴァのことをねだってしまったのだった。
「シルヴァお兄ちゃん……お願い……します」
私がねだると、木で出来た聖壇の上にシルヴァにそっと横たえられた。
夕焼けに染められた、教会の天井に吊るされた豪奢なシャンデリアが見える。
花の甘い香りが充満する建物の外からは、街の人たちが帰路につく声が聴こえてきた。
「リモーネ、この世で一番、お前が綺麗だよ――」
シルヴァはそう言うと、頭の上のティアラとヴェールを取り外すのと同時に、結い上げていた栗色の髪のリボンをしゅるりとほどかれ、木の上に流れていく。
たくしあげられたウェディングドレスのすぐ下――蜜でぐちゃぐちゃに濡れてしまっているショーツを、彼の大きな手がゆっくり、膝から足先まで降ろしていった。
愛蜜が、とろとろと肌をつたい流れていく。そのまま、純白のドレスと聖壇の木を、蜜が汚していく。
(こんなに綺麗な場所を、汚してしまってる……)
どうしようもない背徳感と、彼を受け入れることへの期待の両方の気持ちがせめぎ合った。
左右に開かれた脚の間に、シルヴァが膝立ちになっている。彼の大きな手が太腿に添えられ、ゆっくりと持ち上げられた。
夕陽の逆光で、彼の表情が見えづらくて仕方がない。
彼がベルトを緩め、中から獰猛な獣のようにいきりたつ怒棒を取り出した。
「あ……お兄ちゃん……」
どうしようもなく心臓の音が高鳴る。
開かれた花弁の間からのぞく、赤く肥大しているだろう蜜口に、彼の先端があてがわれた。しばらくの間、先端をぬるぬると溝の間を動かされる。
たったそれだけの動作で、敏感な身体は、ぞくっぞくっと震えた。
「リモーネ、今からお前の中に入る――」
そうして、獣のような器官が花扉を開き、みちみちと肉壁に沿って進み始める。
「―――っああっ……あ――あ――」
私は思わず、彼の首筋にしがみついた。