悪役令嬢は騎士の腕の中で啼く――婚約破棄したら、爵位目当ての騎士様に求婚されました――

 入ってくる異物を、蜜口がぎゅうぎゅうと締め付ける。狭穴がひくひくと動いた。
 彼の局部は、大きくて鉄のように硬くて、あまりにも熱くて……何度侵入されてもまだ、私は完全には慣れないでいた。
 何度か浅い呼吸を繰り返していると――。

「リモーネ、もう入ったぞ――」

 膣後壁に、何かがぶつかる。
 大きな彼の分身を、なんとか全て受け入れることが出来たようだった。
 散らされた花びらの間からは、溢れんばかりの蜜が垂れ流されていく。

(いつも以上に、どんどん溢れてきて、全然止まってくれない……)

 羞恥で顔が赤らんでいるだろうが、きっとシルヴァからは夕陽のせいで赤いと思われるに違いない。
 そんなことを考えていると、近づいてきた彼から唇を塞がれてしまった。

「んっ……あ……は……」

 これから起こることを想定させるかのように、お互いの舌同士が激しく絡み合う。


「ああ、俺のリモーネ……恥じらってるお前も最高に可愛いな――」


 彼には気づかれてしまっていたようで、ますます恥ずかしくなってしまった。

「このまま、動いても良いか?」

「うん……」

 私の返事を聞いた彼が、ゆっくりと腰を動かしはじめた。
 淫扉を貫いた、鉄のように熱い剛直の抜き差しが何度も繰り返される。
 肉壁が擦り上げられ、全身に快感が走っていった。
 
「あっ……ゃあっ……あっ……あん……!」

 子宮の入り口に、彼の先端が何度もぶつかり、激しく喘いだ。
 神聖な場に、ぐちゃぐちゃと淫秘な水音が激しく響き渡る。
 木で出来た祭壇が、ガタガタと揺れた。

「リモーネ、乱れているお前の顔も可愛くて仕方がない――」

 彼の低い声に、鼓膜が震える。

「あっ――ぁあっ……お兄ちゃ……」

 教会の壁に、夕陽で出来た自分たちの影が激しく揺れ動いている様子が映っていた。
 投げ出された脚が、がくがくと小刻みに揺れる。
 建物の中に、自分たちの荒い息遣いがこだまする。

「は……可愛い啼き声だ――リモーネ……」

「あっ、あん、あ、あんっ――シルヴァお兄っ……あ――」

 激しく鉄杭に貫かれ、子宮を揺り動かされ続ける。
 頭の中がちかちかと点滅しはじめた。

「リモーネ……愛してる、リモーネ……」

「あっ……あんっ……お兄ちゃ……も……だめぇっ……ああっ……!」

 短い啼き声の後、痙攣する身体の中に、彼の熱い刻印があますことなく注がれる。
 あまりにも大量の彼の精は、結合部から漏れ出してしまい、蜜と共に交じり合いながら、脚の間を流れていった。

「は……お兄ちゃん……すごい……」

「ああ、こんなに綺麗なお前の中に入れてもらえて――俺は本当に幸せ者だ――」

 いつもは寡黙だと評判の彼が、心底嬉しそうに微笑んでくる。
 そうして、また軽く口づけを交わす。
 純白のウェディングドレスは、汗や体液らにまみれ、ぐちゃぐちゃに汚れてしまった。

「お兄ちゃん……大好き……」

 荒い呼吸をなんとか整えて、私は彼に声をかける。
 シルヴァの動きがいったん制止した。

「それじゃあ、お兄ちゃん、神職者の誰かを呼んで、鍵を閉めてもらいま――きゃっ――!」

 私の膣道の中で萎んでいたはずの器官が、また大きく膨れ上がり始めた。

「え、え――?」

「すまない、リモーネ……もう一度良いだろうか――?」

「え、え、え――!?」

(だ、誰も見に来ませんように――!)

 そんなことを考えながら、私は彼の求めにこくりと頷いたのだった。



※※※



 教会の外――。



「着替え、手伝おうかって聞きたかっただけなのに……」

 実は、ませた女の子たちが数名、窓の端からこっそり覗いていた。

「天使のお姉ちゃんたちは、こちらに気づいていないわ……」

「完全に自分たちの世界に入り込んでるわね……」

「みんな、このことは内緒にしましょう」



 そうして彼女たちはその場を去った。


 とはいえ、十数年後、この一件はうっかり彼女たちの誰かが口を滑らせてしまい、まさか国中に知られてしまうことになるとは――当のリモーネとシルヴァは知る由もなかったのだった。



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