【書籍化】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック2巻発売中】
夕暮れも迫る時間に馬車に乗ったスイレンが帰り着くと、リカルドとワーウィックは何故か家の前で待っていた。彼も仕事帰りそのままだったのか、いつもの黒い騎士服を着ている。
イジェマと共に乗っている馬車が止まると、二人とも訝しげに近づいて来た。御者が開けた扉から中を窺い見たその顔はひどく驚いている。
「スイレン……この馬車は? イジェマ、これはどういうことだ?」
「リカルド……どうしよう、私達の計画は駄目になってしまうかもしれないわ……」
またさめざめと泣き出したイジェマに、御者に手を借りて馬車を降りようとしていたスイレンは戸惑った。計画とは、なんのことだろうか。この二人の婚約解消はもう成立したのではないのだろうか。不安の黒いものが胸に満ちていく。
「何? どういうことだ……スイレン、イジェマ、とにかく中に入ってくれ」
イジェマと共に乗っている馬車が止まると、二人とも訝しげに近づいて来た。御者が開けた扉から中を窺い見たその顔はひどく驚いている。
「スイレン……この馬車は? イジェマ、これはどういうことだ?」
「リカルド……どうしよう、私達の計画は駄目になってしまうかもしれないわ……」
またさめざめと泣き出したイジェマに、御者に手を借りて馬車を降りようとしていたスイレンは戸惑った。計画とは、なんのことだろうか。この二人の婚約解消はもう成立したのではないのだろうか。不安の黒いものが胸に満ちていく。
「何? どういうことだ……スイレン、イジェマ、とにかく中に入ってくれ」