【書籍化】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック2巻発売中】
「気をつけてね、お兄様、スイレン」
ワーウィックが飛び立つその時、見送りに来ていたクラリスがそう言って、軽く手を振った。彼女の傍にはいつものように鋭い目付きをした黒髪の侍従が佇み、それを見守っている。
スイレンが前にあの二人って恋仲なんですか、と尋ねたら兄であるリカルドは複雑そうな顔をして何も答えなかったけど、二人から時折漂う甘い雰囲気はきっとそういうことなのかなと思う。
それに自分自身が身分違いの結婚をするから、型通りの反対も出来ないだろうし。
これから二人はガヴェアへと向かう。
あの国で生まれ育ったスイレンの結婚に関する書類を取りに行くためだ。別になくても時間がかかるだけらしいが、あった方が滞りなく進むというのなら、飛んで行けばそんなに時間はかからないし取りに行こうとリカルドが言ったから。
国境近くの街で手続きを済ませてしまえば、特に問題は起こらないだろう。
ワーウィックが飛び立つその時、見送りに来ていたクラリスがそう言って、軽く手を振った。彼女の傍にはいつものように鋭い目付きをした黒髪の侍従が佇み、それを見守っている。
スイレンが前にあの二人って恋仲なんですか、と尋ねたら兄であるリカルドは複雑そうな顔をして何も答えなかったけど、二人から時折漂う甘い雰囲気はきっとそういうことなのかなと思う。
それに自分自身が身分違いの結婚をするから、型通りの反対も出来ないだろうし。
これから二人はガヴェアへと向かう。
あの国で生まれ育ったスイレンの結婚に関する書類を取りに行くためだ。別になくても時間がかかるだけらしいが、あった方が滞りなく進むというのなら、飛んで行けばそんなに時間はかからないし取りに行こうとリカルドが言ったから。
国境近くの街で手続きを済ませてしまえば、特に問題は起こらないだろう。