【書籍化】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック2巻発売中】
朝の空気は肌寒い。もう寒い季節だから風邪をひかないようにと、あれもこれもと着せられてもこもこになっているスイレンだが、剥き出しの顔にひやりと突き刺すような感覚が触れた。
竜に乗って飛ぶのはもう慣れてしまっていたが、この地上を飛び立つ瞬間の高揚感は何物にも代え難い。
「……寒い?」
リカルドはスイレンの腰に逞しい片腕を巻きつけたまま、後ろから聞いて来た。
首を振って微笑むと、彼も優しく目を細めた。その抱きしめている腕に力が入るのがわかり、スイレンは真っ直ぐに前に向き直ると、どんどんとちいさくなっていく王都を見下ろした。
「さっきクラリス様から聞きましたけど、ジャック・ロイドの刑が決まったとか」
その言葉にリカルドはああ、と頷き、淡々とその疑問に返した。
「……国の宝である竜のワーウィックにも傷がついていたからな。今回の件では王が激怒していたから、即ロイド家は貴族の身分を取り上げられ、ロイドも一生幽閉されることになった」
竜に乗って飛ぶのはもう慣れてしまっていたが、この地上を飛び立つ瞬間の高揚感は何物にも代え難い。
「……寒い?」
リカルドはスイレンの腰に逞しい片腕を巻きつけたまま、後ろから聞いて来た。
首を振って微笑むと、彼も優しく目を細めた。その抱きしめている腕に力が入るのがわかり、スイレンは真っ直ぐに前に向き直ると、どんどんとちいさくなっていく王都を見下ろした。
「さっきクラリス様から聞きましたけど、ジャック・ロイドの刑が決まったとか」
その言葉にリカルドはああ、と頷き、淡々とその疑問に返した。
「……国の宝である竜のワーウィックにも傷がついていたからな。今回の件では王が激怒していたから、即ロイド家は貴族の身分を取り上げられ、ロイドも一生幽閉されることになった」