【書籍化】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック2巻発売中】
(はー、めちゃくちゃ可愛いなぁ)
あの可愛い女の子はあれから早朝に顔を出してくれるようになった。
雨に打たれて帰ったあの日、風邪でも引いていないか、ひどく心配で心ここに在らずだったが、翌朝にひょこっと現れて、リカルドはその元気な姿を見て心から安堵した。
あまりお喋りな方ではないのか、途切れ途切れ話すその姿が可愛く思えてその細い体を抱きしめたくてたまらなかった。
「これは、南国の花であんまり手に入らない種なんですけど、この前お店の人に特別に譲って頂いたんです……とっても綺麗なんですよ。あの、ぜひ見ていただきたくて……」
花籠を地面に置いてそう言いながら手に一粒の種を載せると意識を集中させるようにして、種は発芽し、みるみる内に大きな花を咲かせた。
女の子はふふっと照れたように笑った。その派手な花は見たことがあった。以前南国を旅した時に群生していたのを見かけたからだ。一輪だけでもこんなに喜んでいるんだから、あの花畑を見せてあげられたらどれだけ喜んでくれるんだろう。
あの可愛い女の子はあれから早朝に顔を出してくれるようになった。
雨に打たれて帰ったあの日、風邪でも引いていないか、ひどく心配で心ここに在らずだったが、翌朝にひょこっと現れて、リカルドはその元気な姿を見て心から安堵した。
あまりお喋りな方ではないのか、途切れ途切れ話すその姿が可愛く思えてその細い体を抱きしめたくてたまらなかった。
「これは、南国の花であんまり手に入らない種なんですけど、この前お店の人に特別に譲って頂いたんです……とっても綺麗なんですよ。あの、ぜひ見ていただきたくて……」
花籠を地面に置いてそう言いながら手に一粒の種を載せると意識を集中させるようにして、種は発芽し、みるみる内に大きな花を咲かせた。
女の子はふふっと照れたように笑った。その派手な花は見たことがあった。以前南国を旅した時に群生していたのを見かけたからだ。一輪だけでもこんなに喜んでいるんだから、あの花畑を見せてあげられたらどれだけ喜んでくれるんだろう。