【書籍化】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック2巻発売中】
(リカルド、僕だよ! 君を皆と一緒に迎えに来たんだ! イクエイアスが一緒に近くまで来てくれてこの王都を守護している魔法を弱めてくれている。でも魔法が強すぎて短時間しか保たない。急ぐよ! 何処にいる?)

 本当にワーウィックだ。

 何故だかわからないが、城から動かないはずの守護竜まで引き連れて自分を救いに来てくれたようだ。頭の中で自分の居る位置を詳しく伝える。それでもう相棒はわかってくれる。正確にこの場所まで迎えに来てくれるだろう。

 戦闘の時に竜騎士が無敵と言われる所以はこの竜と素早い連携を取れる点でもある。リカルドは自分の今の状況を素早く計算した。

 出来れば女の子を連れて帰りたいが、ワーウィックが迎えに来るまでに戦闘になる可能性もあった。可愛い彼女をどんな危険な目にも合わせる訳にはいかない。

 立ち上がって近づくと、目を合わせて名前を聞いた。

 名前さえわかっていれば、後で秘密裏に迎えに来ることも出来る。戦闘特化の竜騎士の癖に諜報活動が得意なブレンダン辺りに頼めばきっと上手くやってくれるだろう。

「スイレン・アスターです。竜騎士さま」
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