またね。
『か、勘違いすんなよ?!別にナギの為とかじゃねーから!クリスマスも仕事とか勘弁ってだけで、別にちげーから!』
心なしか颯真の口調が早く聞こえたけど、自惚れていた自分に恥ずかしさを覚えた。
「う、うん!そうだよねっ……!」
『ばっ……!!ちげっ……』
「え、何??何が違うの?」
『……くそ、なんでもねぇ!』
「ええ!何で怒ってるの!?」
『うっせばーか』
何それ!意味わかんない。
理不尽だ!
『と、とりあえず、ぜってー空けとけよ』
「わかってるよ……」
半年ぶりくらいに会えるんだから……。
部屋にあるカレンダーに目を向けて、11月と記されてあるそれをぼんやりと眺める。
『あ、もう時間だ』
電話の向こうでそんな声が聞こえ、急に寂しくなる。
もう、終わっちゃう……。