またね。
『約束破ってごめん……急に仕事が入ったんだ』
そう言った颯真の表情が今にも泣き出しそうで。
手を伸ばすんだけど触れられない。
届かない。
どうして───…?
ハッ!!
「夢……?」
辺りを見渡すとそこはあたしの家のリビングで。
時計の針は深夜を回っていた。
お母さんまだ帰ってないんだ……。
12月はとくに忙しいって言ってたもんなぁ。
いま、待って。
違った。そういえば今日夜勤だった。
「……」
あたし、いつの間に寝ちゃったんだろう……。
ボーッとする頭でそばにあったスマホに目を向ける。
そしたら
パッと画面が光り、着信音が鳴り出した。
あまりにも不意打ちすぎで、驚いたあたしは飛び上がってしまった。
こんな静かな空間に急に音が鳴るなんて心臓に悪すぎる。
おかげで目が覚めた。