辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2
「──珍しいな……」
セシリオから見ると、サリーシャは注意深い性格をしている。なにかに取り組むときは何度も確認して、間違えがないように気を付けるタイプだ。だからこそ、田舎育ちの平民でありながら完璧なまでの貴族令嬢になりきり、フィリップ殿下の婚約者の最有力候補にまでなれたともいえる。
もちろん、どんなに注意深い性格の人物でもミスをすることはある。しかし、こんな短期間に二度も同じ間違いをしたというのに、違和感を覚えた。
セシリオはもう一度手紙を最初から目でなぞる。文面からは、その場にいなくとも、とても落ち込んでいるであろうことがわかった。
その場にいれば励ましてやることも出来るが、離れた場所にいてはそれも出来ない。手紙を書くにも、セシリオも明日出発するのだから手紙と本人の到着が同時になってしまう。
──こんなとき、近くにいてやれればよいのだが……。
セシリオから見ると、サリーシャは注意深い性格をしている。なにかに取り組むときは何度も確認して、間違えがないように気を付けるタイプだ。だからこそ、田舎育ちの平民でありながら完璧なまでの貴族令嬢になりきり、フィリップ殿下の婚約者の最有力候補にまでなれたともいえる。
もちろん、どんなに注意深い性格の人物でもミスをすることはある。しかし、こんな短期間に二度も同じ間違いをしたというのに、違和感を覚えた。
セシリオはもう一度手紙を最初から目でなぞる。文面からは、その場にいなくとも、とても落ち込んでいるであろうことがわかった。
その場にいれば励ましてやることも出来るが、離れた場所にいてはそれも出来ない。手紙を書くにも、セシリオも明日出発するのだから手紙と本人の到着が同時になってしまう。
──こんなとき、近くにいてやれればよいのだが……。