辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2
「いえ、わたしはまだまだです。叔父上のように強ければよいのですが、先日も賊を捕らえるどころか落馬して、皆に迷惑をかけてしまいました」
「賊を捕らえるどころか? 賊を追いかけていて落馬したのか?」
セシリオはパトリックが頭を掻きながら口にしたその単語に、ピクリと反応した。
パトリックが落馬して大怪我をしたことは以前に聞いていたが、なぜ落馬したかまでは聞いていなかったのだ。
「はい。父上と叔父上が最近になって協定を結んだ、あの賊です。あと少しで追いつきそうだったので無理をして、結果的にわたしが取り逃す原因を作ってしまいました」
そういうと、パトリックは悔しそうに唇を噛む。
「あの賊はアハマスで捕らえられましたか? かなり長距離を追ったので、だいぶ馬が疲れていたように見えたのですが」
「いや、捕らえていないな」
「──そうですか」
「賊を捕らえるどころか? 賊を追いかけていて落馬したのか?」
セシリオはパトリックが頭を掻きながら口にしたその単語に、ピクリと反応した。
パトリックが落馬して大怪我をしたことは以前に聞いていたが、なぜ落馬したかまでは聞いていなかったのだ。
「はい。父上と叔父上が最近になって協定を結んだ、あの賊です。あと少しで追いつきそうだったので無理をして、結果的にわたしが取り逃す原因を作ってしまいました」
そういうと、パトリックは悔しそうに唇を噛む。
「あの賊はアハマスで捕らえられましたか? かなり長距離を追ったので、だいぶ馬が疲れていたように見えたのですが」
「いや、捕らえていないな」
「──そうですか」