辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2
サリーシャはその笑顔を見て胸がキュンとするのを感じた。確かに、結婚して以来、二人でゆっくりと過ごすことはなかった。そうできたら、どんなに素敵だろう。
「本当ですか? ふふっ、嬉しいです」
「どこか行ってみたい場所はある? なければ、デニーリ地区で有名な景勝地でも回るが……」
セシリオに訊き返されて、サリーシャはうーんと宙を眺める。行きたい場所と言われても、どんな場所があるのかをよく知らないのだ。そのとき、サリーシャの脳裏にひとつの場所が思いついた。
「そういえば、ラウル様が以前セシリオ様に光る虫を見せてもらったと仰っていましたわ。もしかして、蛍でございますか?」
「光る虫? ああ、そうだ。蛍だな。季節があえば、芝生や草むらで光る蛍を見ることができる。前に王都で仕掛け時計を二人で見たときに、とっておきの場所があると言っただろう? それが、そこだ」
「わたくし、それが見たいです!」
「本当ですか? ふふっ、嬉しいです」
「どこか行ってみたい場所はある? なければ、デニーリ地区で有名な景勝地でも回るが……」
セシリオに訊き返されて、サリーシャはうーんと宙を眺める。行きたい場所と言われても、どんな場所があるのかをよく知らないのだ。そのとき、サリーシャの脳裏にひとつの場所が思いついた。
「そういえば、ラウル様が以前セシリオ様に光る虫を見せてもらったと仰っていましたわ。もしかして、蛍でございますか?」
「光る虫? ああ、そうだ。蛍だな。季節があえば、芝生や草むらで光る蛍を見ることができる。前に王都で仕掛け時計を二人で見たときに、とっておきの場所があると言っただろう? それが、そこだ」
「わたくし、それが見たいです!」