辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2
 セシリオも窓の外を覗いた。道路沿いには多くの工夫や、ドーザーを引く馬が集まっている。昨日から何カ所も工事している場所を見かけるのは、長い街道を出来るだけ効率よく工事するために、いくつかのブロックに分けて作業をしているからだろう。それでも、アハマスまでの道が完全に整備されるには何年もかかる。

 アハマスを発って十一日目、サリーシャ達は無事に王都へと到着した。まず王都の中心地にあるタウンハウスへと向かうと、家令のジョルジュが笑顔で迎えてくれた。

「旦那様、奥様。お待ちしておりました。誠にお疲れ様でございます。お部屋の準備は出来ていますよ」
「ああ、助かる」
「ありがとう」

 サリーシャがペコリと頭を下げると、ジョルジュはにこりと微笑んだ。

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