辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2
「今年は三回も旦那様が王都にいらして、本当に珍しいことでございます。これまでいらっしゃらなかった分を取り戻す如くの頻度ですね。わたくし共も俄然仕事をやる気が出ると言うものですよ。いつもは旦那様の命を受けてこちらで情報収集するむさ苦しい兵士ばかりを相手にしているものだから──」
「ジョルジュ。悪いが到着したばかりで疲れている。話は後で聞くから、部屋に案内してくれ」
ジョルジュが何やら堰を切ったように喋り出したが、セシリオは面倒くさそうに話を打ち切った。
残念そうに眉を寄せたジョルジュは、すぐに気を取り直したように笑顔を浮かべるとセシリオ達を三階の部屋へと案内した。階段の踊り場や廊下の至る所に美しく花が生けられている。
ジョルジュはセシリオとサリーシャを先導すると、鷹揚な動作で三階の一室のドアを開けた。
「ジョルジュ。悪いが到着したばかりで疲れている。話は後で聞くから、部屋に案内してくれ」
ジョルジュが何やら堰を切ったように喋り出したが、セシリオは面倒くさそうに話を打ち切った。
残念そうに眉を寄せたジョルジュは、すぐに気を取り直したように笑顔を浮かべるとセシリオ達を三階の部屋へと案内した。階段の踊り場や廊下の至る所に美しく花が生けられている。
ジョルジュはセシリオとサリーシャを先導すると、鷹揚な動作で三階の一室のドアを開けた。