辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2
カーテンを見つめていたセシリオは振り返ると、サリーシャを見つめて微笑んだ。
「前回ここに来たときに婚約者として紹介しているが、今夜はタウンハウスの面々に改めてきみを俺の妻として紹介しよう。皆、自分達の女主人であるきみに興味津々のはずだ。この部屋の準備なども、褒めてやるとやる気が湧くと思う」
「はい、わかりました」
サリーシャはこのタウンハウスの使用人達から自分がとても歓迎されていることを感じて、とても嬉しくなった。
その晩、アハマス辺境伯のタウンハウスからは、暖かな蝋燭の光とともに、いつになく明るい笑い声が漏れ聞こえてきた。
◇ ◇ ◇
身長の倍ほどもある大きな木製のドアには、全面に蔦や花の彫刻が施されている。表面の金箔が灯されたの明かりを反射して鈍く光っている。
かつて何度もくぐったその会場の入り口を目の前にしたとき、サリーシャは足が震えるのを感じた。
「前回ここに来たときに婚約者として紹介しているが、今夜はタウンハウスの面々に改めてきみを俺の妻として紹介しよう。皆、自分達の女主人であるきみに興味津々のはずだ。この部屋の準備なども、褒めてやるとやる気が湧くと思う」
「はい、わかりました」
サリーシャはこのタウンハウスの使用人達から自分がとても歓迎されていることを感じて、とても嬉しくなった。
その晩、アハマス辺境伯のタウンハウスからは、暖かな蝋燭の光とともに、いつになく明るい笑い声が漏れ聞こえてきた。
◇ ◇ ◇
身長の倍ほどもある大きな木製のドアには、全面に蔦や花の彫刻が施されている。表面の金箔が灯されたの明かりを反射して鈍く光っている。
かつて何度もくぐったその会場の入り口を目の前にしたとき、サリーシャは足が震えるのを感じた。