辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2
今日は王太子夫妻の門出を祝う舞踏会。一年前のこともあり、警備はネズミ一匹も見逃さないほど厳重だ。
頭では分かっていても、心とからだが言うことを聞かなかった。
指先が段々と冷え、感覚がなくなる。足が震えだしそうになり、逃げ出したいような衝動。すっかりと癒えたはずの背中の傷跡が、またズキズキと痛みだすのを感じた。
「? サリーシャ?」
会場入口で足を止めたサリーシャを不審に思ったセシリオが、怪訝な表情でサリーシャの顔を覗き込む。ヘーゼル色の瞳は真っ青になったサリーシャの顔を見ると、僅かに眇められた。
「どうした? 気分が悪いのか?」
サリーシャはドレスのスカートをぎゅっと握った。
頭では分かっていても、心とからだが言うことを聞かなかった。
指先が段々と冷え、感覚がなくなる。足が震えだしそうになり、逃げ出したいような衝動。すっかりと癒えたはずの背中の傷跡が、またズキズキと痛みだすのを感じた。
「? サリーシャ?」
会場入口で足を止めたサリーシャを不審に思ったセシリオが、怪訝な表情でサリーシャの顔を覗き込む。ヘーゼル色の瞳は真っ青になったサリーシャの顔を見ると、僅かに眇められた。
「どうした? 気分が悪いのか?」
サリーシャはドレスのスカートをぎゅっと握った。