最強総長さまに愛されすぎている件について〜女嫌いの総長はブラコン地味子ちゃんを好きすぎる〜
まさか桜の幹部専用部屋・・・・・・聖域に入ることを許可されるとは思わなかった海月は内心、ものすごく焦っていた。
(ヤバい・・・・・消されるかも・・・・あぁ今日が命日だと知っていたら頑張ってためていたあの貯金をすべて崩しておくべきだったっ!)
あの旧財閥、桜木グループの御曹司を敵に回しては生きていけない。下手に話して機嫌を損ねてしまえば、きっと私たち一家は潰されるだろう。別に私の存在を邪険に扱う両親はどうでもいいが、一つしたの可愛い双子の弟達を巻き込んでしまうのは嫌だ。
あぁ・・・・・私はいつの間にかこの方達に何かをしてしまって目をつけられていたのだろうか。そして、中に入れると言うことはこっそり後ろからグサッと・・・・・・
海月はそんなことを考えながら、とりあえず隣に座っている類に書類を渡した。
「あ、あのこれが頼まれてた書類です・・・・・っ!」
「ん?あぁ、ありがとう。」
瑠衣は優しく、そして先ほどよりも甘くとても綺麗に微笑んだ。
(っ・・・・・・!)
魔性のオーラに当てられてクラクラとする海月。
(これなら家より先に目が潰れちゃう・・・・っ!)
そういえば、ついさっきこの部屋のドアを開けてもらった時から瑠衣くんはずっとニコニコしている気がする。無理して笑っているとかじゃなくて、嬉しさが抑えきれない時のようなふにゃりとした笑顔だ。