【短編】猫が運んだ淡い初恋
◇◇
「────久しぶりだね。元気だった?」
「はい……お久しぶりです」
須川湊士郎。
高校二年生。
新年が明けて二週間。
授業が再開し、正月気分もだいぶ薄れてきた、風が冷たい土曜日の昼下がり。
『素敵な名前をありがとう』
『また会おうね』
友と待ち合わせしていた駅前の広場で、
中学時代の初恋相手と再会しました。
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