【短編】猫が運んだ淡い初恋
「じゃ、マル、タマと仲良くしててね」
リビングに戻って、マルをケージの中へ。
ちなみにタマはクッションの上でグッスリお眠り中。
「よし、頑張りますか」
ダイニングテーブルに移動し、夏休みの宿題に取りかかる。
中学に入ってから部活が忙しく、さらに水泳も習っているため、平日はほぼ毎日クタクタ。
そんな疲れ切った体と心を、タマとマルに癒やしてもらっている。
日に日に癒やしてもらう時間が増える一方、その分勉強する時間は減少。
テスト前なのにも関わらず、勉強せずに癒やしを求めてタマ達と遊んでいた。
そんな日々が続き──テストが全部返ってきたある日、とうとうお母さんに叱られてしまった。
問題は、点数というより解き方。
とりあえず空欄を埋めとこうって、テキトーに書いたのが多くて、勉強してないことが一発でバレちゃったんだ。
本当は夏休み中にスマホを買ってもらう予定だったんだけど……秋以降に延期。
これからはメリハリをつけて勉強すると約束したから守らないと。
もうこれ以上は延期したくないからね!