離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます

　そんな事よりも、俺達の事だ。

「来週にはホテルがオープンする。　やっとだ！　暫くはまだ、行き来しなければならないが、ここまで来れば先は見えた。　シエナ、お前はどうしたい？　」

　帰国したら、少し纏まった休みを取って、シエナとゆっくり過ごしたい。

　旅行、いや、三年も待たせたからな、二人きりで海外挙式をするのも良いな。

　お披露目は別にやれば良い。　


「…… 私は…… 子供が、赤ちゃんが…… 欲しい…… 」

　
　クッ…… ッ　マジか？！　俺は目を大きく見開いて、ハーーーーッっと、深い溜息を吐いた。　

　もう暫くは二人きりのあまあま生活を送りたかったが、シエナが望むなら仕方ないか…… 。　

　俺にも両親から、孫の催促があんなにあるからな、シエナの所にも、絶対に連絡してる筈だ。　

　側にいられなくて、嫌な思いをさせたな。
　

「…… そうか…… 」

　自然に任せながら、子供の事もそろそろ、考えてみるか……。