離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
 シエナをベットに誘い、久しぶりの、手に吸い込まれる様な、シットリと柔らかな肌の感触を堪能する。

 甘い囁きよりも、反応を見たくて、何度もキスを落とす。

 唇が鎖骨から胸へ、そしてお腹からお臍へとチュ、チュ、チュと、花を散らす。

その度に、「んっ……っ」と、小さく声を漏らすシエナが、愛おしい。

 真っ白な肌に、俺の印がついて、満足する俺は、案外執着が強いらしい。

 本当は、舐めて噛みついて、グチャグチャに乱れたシエナも見たいが、グッと我慢だ。

 それは、まだハードルが高い。

 引かれるのは辛いからな。


 右手で、ゆっくりと、太腿から、敏感な部分に触れて、指先でそこをなぞる。

 加減したつもりだが、やり過ぎたか? ビクッビクッと反応して、シエナは苦しそうだ。

 「シエナ、…… 大丈夫か? 呼吸が浅くなってる。 ゆっくり吸って、俺だけに意識を集中しろ」

 いつもなら、解されて濡れる筈のシエナの身体は、なかなか潤わない。

 最近はずっとこんな感じで、無理させているのでは? と、心配になる。

 やはり、子供の事がプレッシャーなんじゃないか?!

 そこまで辛い思いして無理して作らなくても、俺はシエナと二人きりでも全然構わない。うん、寧ろ、俺的には暫くは二人でいたい……

「なあ……、 もうこんな事、やめにしないか? シエナだって辛いだろ? 」

「……お願い…… やめないで…… 」

 イヤイヤッと頭を振るが、その瞳には涙をいっぱいに溜めている。

 …… もしかして、俺に触れられるのが、嫌なのか?!

 ハッとして、ここ最近、避けられていた事に気が付いた。

 電話もメールにも返信が無かったのは、そう言う事か?! 

 相手は…… まさかチーフか?!

 
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