離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
シエナに限って、浮気するなんて考えられないが、いつも近くにいるアイツに、絆される可能性は、無くはない。

 シエナを一人、日本に残していった、馬鹿な自分に無性に腹が立った。
 

「……っ! ……そんなに嫌、なのか…… 」

 ポロポロッと、涙を零すシエナにも、怒りが湧く。

「……ちがっ……! 」

 それは誰の為の涙だ?!

 許せない!

 俺以外の為に涙を零すくらいなら、俺から逃れられなくなる様に、お前の胎の奥に、俺を刻み付けて捕らえてやる!

 狂気じみた自分の執着に、自嘲しながら、何度も何度も、シエナの奥に押し入った。

「んっ…… んんん……っ 」

 苦しそうなシエナの声を聞いても、今日は優しくなんか、して、やるものか……。

 俺の愛の重さを、その身体で、全て受け止めろ!
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