離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
 レセプションパーティーでの挨拶は、無事に終わって、ホッと胸を撫で下ろした。

 ただ、どうしても、どーーーーーしても、白鳥を妻だと紹介するのに抵抗があった。

「つ、ま、の結菜で…… 」
「社員の、白鳥です。 今日は勉強の為、同行して貰いました」

 白鳥が口を開く前に、紹介した。

 しかも、取引先の会長や社長が、奥様や娘さんと共に挨拶に来れば、ズイッと、俺の前に立ちはだかり、

「蓮斗さんと口を効いて良いのは、男の人だけよ!! 」
「山口会長さんと仰るのね、じゃあ、山ちゃんって呼ぶわね。 山ちゃんは禿げ鷹に似ていますわね」
「貴方、そのスーツは、タヌキの様にブヨブヨとしたお腹には、小さ過ぎましてよ。 自分をちゃんと知った方が宜しくてよ」

 とにかく、余計な事を口にする。

 いい加減にしてくれ!

 俺のホテルを潰す気か?!


「俺に、全て任せろ! 」

 苛立って、白鳥に耳打ちすると、何故か彼女は、

「はうぅん…… いや〜んっ そんな熱い事囁かないで」

クネクネと、身体を擦り寄せて来て、気持ち悪さが増した。

 何かの病気か?!

 皆んなに移されては困るな、と判断し、早々に引き上げる事にした。

 これ以上、余計な事をされるのも、困るしな。

 
< 142 / 205 >

この作品をシェア

pagetop