離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
首を絞められていた手が急に外れ、その場に蹲ると、一気に肺に酸素が巡った。
ヒュッっと喉が一瞬鳴って、入って来た酸素の量を処理し切れない。
「ケホッ ケホッ ゲホッーーーッ!」
苦しくて、涙が溢れて来る。
「Are you ok? 」
心配そうに女の子が、声を掛けてくれる。
咳き込んで、返事が出来ず、変わりにニコリってと笑って見せた。
「立てるか? 」
呼吸が整い落ち着いた私に、女の子の側にいた男が手を差し伸べて来た。
「大丈夫です 」
私はその手を無視して、スクッっと一人で立ち上がった。
「…… 手荒な真似をしてすまなかった」
顔色を変えずに謝る彼に、ンンっ? と眉を顰めた。
(…… えーと…… 謝ってるんだよね? …… にしちゃ顔、無…… なんですけど…… こんな事した後なんだから、嘘でももう少し愛想良くすれば良いのに…… )
ムムッと、口をへの字して、目を細めて男を見つめた。
(イケメンだからって、何でも許されると思うなよ…… )
「彼女から聞いたが、迷子になっている彼女を助けてくれていたんだな。 しかも、崩れてしまった髪と着物も直してくれていたと……… 最初の時よりとても可愛くて、素敵にして貰ったと、彼女もとても喜んでいる 」
女の子は、私の腕を取ると嬉しそうにコテンッと、頭を寄せて上目遣いでキランキランッした笑顔で笑った。
「So cute! 」
うん、うん、外国人の美少女が着物ってのが、またギャップ萌えがあって、良き良き。
ニマニマ笑っていると、
「彼女はとても大切なお客様の娘さんで、話し込んでいるうちに、迷子になってしまって探していたんだ。 助かった 」
(おぉ…… 顔の割に、意外と素直…… )