離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
そんな事を考えながら、リビングに足を踏み入れて、テーブルの上にオシャレに盛り付けられた料理に、目が止まる。
「うわぁぁ……、朝ごはん、作ってくれたんですか?! 」
ワンプレートに、ゴマごはん、野菜の出汁漬け、卵とブロッコリー炒め、野菜とリンゴのヨーグルトスムージーが並んでいる。
バランスが良く、身体に良さそうな物ばかりだ。
「残念ながら、コーヒーはノンカフェインがないから、今朝はお預けだな」
(……もしかして、妊婦に良い食べ物、調べてくれたのかな? )
蓮斗さんの心遣いに、ホッコリッと心が温かくなる。
……でも、これダメじゃないか?!
妻たるもの、蓮斗さんより早く起きて朝食作っておかなきゃだよね?
いや、今時の共働きは出来る方がやるって方が多いから良いのか……?
そもそも、たまにしか一緒に過ごして来なかったから、こんなゆっくりと二人で過ごす時間は、初めての事だ。
(……暫くは一緒に過ごすなら、様子を見ながらで良いか……。 寧ろグータラな私を見て、白鳥さんの方が妻に相応しいと思うかもしれないし…… )
自分で考えて、やっぱり比べられるのはヤダな…… と、自己嫌悪に陥る。
(何なんだ、私は…… )
フッと小さく溜息を吐く。