離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
「持っているのは貴方を好きだと、愛しているという想いだけ……。 そんな私でもいいの……? 貴方を一番に、幸せにしてあげられる? 」

「そのままのお前で良い。 遠慮がちかと思えば、こうやって自分の意思をハッキリと伝え、流されないお前が良いんだ。 一緒に幸せを探そう。 二人で一番に幸せになろう」

 チュッと唇に軽くキスを落とすと、

「俺の子を産んでくれ」

 蓮斗さんが、優しく私のお腹に触れる。

「産むだろ? 」

 改めて言われて、ジワジワッと心が温かくなる。

「産むよな? 」

 私と蓮斗さんの赤ちゃん……。

「産まなきゃダメだ。 お前と生まれて来る子と、三人で幸せになりたい。 いや、子供はもっとだ。 四人、五人、お前との子なら何人でも」

 私はコクリッと頷いた。

「産みたい。 産んでも良い……かな? ……でも、程々で、お願いします? 」

 一瞬でも迷ってしまった自分にも、言い聞かせるように、口にする。

「ああ、産め! 」

 蓮斗さんは愛欲を孕んだ瞳で、私の顎を掴むと、唇にチュッとキスを落としてきた。

「…… ありがとう…… 」

 その一言で、私の心はホッコリと温かくなり、身体の奥底から幸せが溢れて来た。

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