離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
体調が悪いのはわかっていたが、どうにも我慢出来ずに、頬に張り付いた髪をすくって、チュッとキスを落とした。

 頬に触れ、額にチュッとキスを落とし、チュッと鼻に、そして頬にチュッとキスを落とす。

「やめっ……っ 」

 可愛い声を上げて抵抗するシエナが可愛いのと、具合が悪いのに俺に頼らなかった不満から、強い執着心が顔出す。

 噛みつくように唇を塞ぎ、驚くシエナが声を上げた隙にスルリッと舌を滑り込ませた。

「ふぅ……っ……ん」

 苦しいのか、くぐもった声を上げたシエナは、俺の胸を押して小さく抵抗するが、それさえも可愛くて、俺の欲は止まらない。

  存在を確かめるように、体中に手を這わせ、可愛い声を引き出す。

「ああ…… シエナ、こうして触れるのはいつぶりだ? 堪らない…… 可愛い声をもっと聞かせろ」

「やっ……、ダメ……っ、待って…… 」

「悪いが待てない。 それに、記憶を取り戻すには、記憶を無くす前にしていた行動をするのも効果的だと、医者が言っていたからな。 協力するだろ? 」

 シエナに逃げられないように、狡い駆け引きを持ち出す。

「ううーーっ……っ、こ、ここでお医者様を持ち出すとは卑怯な……! 」

 クウッーーーーーッ……、何だその可愛い顔は!

 俺は堪らず、吸い寄せられるように、口を尖らせ拗ねるシエナの唇をハムッっと、甘噛みした。

「……愛している」

 素直に想いを口にした俺に、シエナは爆弾を落とした。





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